ひとり言 2022.11.18
このNHK特集の第二弾の内容とは、昆虫の適応能力の凄さの解明とそれが地球環境にもたらす影響力について迫っていこうという話です。まずは、昆虫の飛行能力の凄さについての話です。約4億年前に誕生した昆虫は、木に登り餌のある場所へ辿り着く過程において、何度も落下を繰り返し、その都度何とか飛ぼうと試行錯誤していました。そしてその努力が実り5千万年後に、ついに昆虫は飛行出来るようになったのです。この飛行能力は多様性に富んでいて、カブトムシのように羽が鎧のような役割をしている昆虫や水平に飛べるトンボや花から花へと花粉を運べる蜂など、その生態系に合った飛び方や羽の構造は、大変複雑で人間の常識を遥かに超えているそうです。その後はアリの生態系の話が中心となり、他の昆虫との片利共生や絶対共利共生のストーリーが、展開していきます。その中で私が一番目を引いたのは、シロアリの生態です。森林に棲むシロアリの生息地とそうでない森林との比較実験で、顕著な結果が得られました。干ばつ時の土壌の比較において、シロアリの生息地では、そうでない場所より土壌の水分量は3割多く、幼木の生存率は5割も多かったのです。原因としては、土壌には繊細なアリのトンネルが、無数に張り巡らされていて、そこで雨季に溜まった水分が、干ばつ時に使われる事で起きる結果だそうです。まさに昆虫によって、地球環境は守られていたのです。4億年前の昆虫の気持ちを推し量ると、人間の3千年の歴史など瞬き程度であり、科学の力で解明されればされる程、今人類は、行き方の分岐点に立たされているのが分かります。