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「特攻隊」 2022.07.25

鎮魂の祈りの力

私は、子供の頃からずっと「特攻隊」による特攻行為の映像がよく頭をよぎってくるので、子供ながらの浅い思想で、絶えず解決を試みていました。自分だったら怖くてできないことだから、特攻隊員は、勇気があって素晴らしいと思うことで、子供時代の自分は、納得していました。そして青年期になり、特攻隊員の年齢に近づくと、自分なら怖くて絶対にその場から逃げ出すだろうと思い、平和の時代に生まれてきて良かった、などという考えで切り抜けていました。そこから中年期までは、「特攻隊」の持っている悲劇性が、戦争が持つ悲劇性と合わさり、その悲劇性を生み出した軍国主義を徐々に憎むようになっていきました。しかし特攻行為を映し出す映像の中から、日本の美意識を拾い上げ、「特攻隊」という悲劇性の中から、ひたすら涙を誘う感動的なストーリーに仕上げようとする風潮には、物凄く違和感を感じていました。「特攻隊」は、あくまでも日本人300万人の死者を必要とした第二次世界大戦の一部分であります。しかし、この日本最大の負の遺産から未だに日本人は、真正面から向き合わず真剣に学んでこなかったため、今の中途半端な状況下でさえ、絶えず慣れようとしているかのように映ります。そこで特攻行為で血や肉や骨が砕け散っていく断末魔までを感じ取り、この日本最大の負の遺産に鎮魂の祈りの力で風穴を開け、せめて「特攻隊」だけでも、自分の手で掬い上げてみようという大胆な発想に至ったのです。それで解ったことは、「特攻隊」の特攻行為は、自分の命を最大限に活用しようとした行為であり、意識は全開のまま死ぬ直前まで、必死に生き抜いて使命を果たそうとするお姿は、おおよそ自己犠牲という名の日本の美学とは、程遠い光景だったのです。私は、「特攻隊」を日本の誇れる精神文化として捕え、「明鏡止水」、「安心立命」といった境地や「魂の不滅」、「愛国心」といった真理など多くのことを、そこから学ぶことで「特攻隊」を見事な宝の山にしていこうと思ったのです。

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