お知らせ

三島由紀夫 2022.11.22

死生観  その4(自信作)

私は、あの壮大な三島由紀夫の割腹自殺劇とは、三島文学が凝縮された三島さん自作自演の究極の三島作品であると考えています。それ故に、三島作品を究極のものにするために、その重要なファクターであるナルシシズム(自己愛)を、まずは究極的に高める必要があったと考えます。そして三島さんは、究極的な知性と精神性を兼ね備えた、あの究極的な肉体美(自己愛の偶像)を手に入れるために、鏡を見てウェイトトレーニングなどしながら、己に磨きをかけていたのです。そしてついに、あの日がやって来ます。あの壮絶な割腹の目的とは、究極的に高められたナルシシズム(自己愛)の中から、三島さんが追い求めていた究極の愛を救出するためなのです。それ故に、三島さんは内臓が飛び出るくらい、己の肉体を深く切り開きます。つまり、その意味とは、究極的な自己愛から自己という病原体だけを切除し、三島さんが追い求めてきた究極的な愛だけを救出しようとした、言わば外科手術のようでもあったのです。ですから、首を介錯する切腹の場合は本来しない、あの壮絶な腹切りが、それを物語っていたのです。つづく

カテゴリー

アーカイブ