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三島由紀夫 2023.10.07

真実・無辜の愛 その1

久しぶりにライフワークである三島由紀夫について、書きます。私は、三島由紀夫が死んで約一年後に生まれています。たまたま子供の頃、自衛隊市ヶ谷駐屯地で起きた三島由紀夫事件のドキュメンタリー番組を見た時、途轍もない衝撃を受けました。それ以来ずっと私の人生に、多大な影響を与え続けています。私は彼のような思想もなければ、彼のような死の美学もありません。しかし彼にとって「死ぬ」という行為は、この世で最も美しくなければならなかったので、ギリシャ神話に出てくる「英雄の死」の如く、それに相応しい場所と大義と肉体を得るために、虎視眈々と綿密に計画を立てながら、日々鍛錬を繰り返していました。ですから三島さんは、年老いてヨボヨボになり、寝たきり状態になって寿命が尽きて死んでゆくような死を、最も恐れていたのです。残念ながら私は、三島さんと違って鍛錬不足が祟り、大変肥えた見た目であり怠惰な性格でもあるために、とても美しくは死ねません。当然、死の美学もありませんので、できる限り長く生きたいと思っています。もちろん、三島さんのような知性も無いので、三島さんの行動原理は全く理解できません。しかし想像の世界で三島由紀夫の仮面を作って被り、私自身の内的な恥部を勇気を持って告白していくことで、どういう訳か、三島由紀夫の内的な真実に辿り着けると思ってしまったのです。 つづく

 

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