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三島由紀夫 2022.07.30

出会い その1

私が生まれた頃には三島由紀夫は、もうこの世にはいませんでした。彼の存在を知るキッカケは、自衛隊駐屯地での割腹自殺事件のTV特集でした。その衝撃は、今でも忘れていません。それを見たのが、小学生の頃だったので、その時の私の認識力では、頭のイカれたおじさんが、何かとんでもない事をやらかしたという理解しか、出来ていませんでした。しかし、この最初の衝撃的出会いが原因想念となって、私の心の中で生き続けることとなり結果、私の後の人生は、これに苦しみ続けることになっていったのです。この悩みを相談しようにも、相談できる周りの同級生や大人たちがいなかったものですから、ひたすら自問自答して、この原因想念と対峙しながら、悶々とした生活を送っていきました。自分で解決しようにも私は元来、本を読むことが体質に合わず、勇気を持って三島さんの本を買ってみたもの、全く理解できずに今だに放置されたままになっています。また大人になるにつれて、あの事件の意味合いを徐々に理解出来てきても、三島さんが醸し出す狂人じみた雰囲気が、私を恐怖心へといざなうのです。結局は、この恐怖心が上回り、三島さんの本質に辿り着けないまま、月日は流れていきました。転機は「特攻隊」の本質に辿り着いた瞬間でした。要するに「特攻隊」が持っている崇高な精神性を、三島さんの内部に見い出すことが出来てしまったのです。狂人三島由紀夫の中から、人格者三島由紀夫を見事に救出する事に成功したのです。そして子供の頃に受けた、あの強烈な原因想念から、やっと解放された瞬間でした。つづく

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