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三島由紀夫 2022.08.29

殺人者 その1

私が三島由紀夫という人間に、何故ここまでこだわるのかというと「特攻隊」を分析する上で、非常に欠かせない教材であり、それをやる上で必須科目のように思える明確な私の意志が存在するからです。しかし三島さんは非常に複雑な精神構造の持ち主であり、この規格外の知性と人間性を合わせ持つ存在を、私なんぞ到底理解はできません。ですから私は、三島さんの人間性を自由に評論し、それを表現した文章の中に自分の思想的エネルギーを、忍び込ませてみようと考えました。言い換えれば、それは精神的な三島由紀夫の仮面を被り、私の思想理念を自由に告白しようという試みなのです。そして、何故それをやろうとするのかというと、それをやり続けると、いつかは三島さんの純粋な根源にたどり着くことに気付いてしまったからなのです。私は元々、読書は長続きしないという体質ですので、過去に三島作品をトライしてみたものの、学生の頃辛うじて「仮面の告白」を完走した記憶がある以外、今まで一切これと関わったことがありません。ですから私の三島由紀夫という人間が醸し出す原因想念の源は、100%あの事件によるものです。そして「あの事件」について大変興味深い記事を発見したので紹介します。タイトルは「三島由紀夫は人殺しだ~三島事件を英雄視してはならない」という内容です。この内容は、すこぶる的を得ていて私のような三島信者にとっては、衝撃的で大変嬉しくなる内容でした。そこには歴史の真実に迫ろうという明確な意志が存在しており、歴史が持つ現実性をまさに直視しようとした勇敢な行為にも見えます。そして「あたくしは」というタイトルの話の中では、それは発見されませんでした。つまり三島さんの「あたくし」という言霊の中に、殺人者三島由紀夫を発見することが、私には出来ませんでした。つづく

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