思うこと 2022.08.27
朝のワイドショーでこの方の書籍の内容について、この方と出演者との間で、非常に内容の薄い議論が行われていました。この方の、クールな語り口と言葉選びのセンスは、理解できるのですが、いつも言葉の中身がすっぽり抜けていながら、それを含みにしながら上手く相手を丸め込んでいくスタイルがこの方の特徴です。この議論のテーマは、民主主義や資本主義を含めた政治の仕組みの中心は、いずれAIが取って代わるだろうという内容です。そこでAIの本質は、正確性や精密性であって、AIに正解を求めるべきでないという問いに対しては、アルゴリズムの根底にあるブラックボックスの透明化が重要とその方は答えていました。将棋のように勝ち負けがはっきりしているゲームなどの場合は、正解=正確性なので問題ありません。しかし人類の根源的なテーマに関わるような問題については、明確な正解は存在しないので、それを決めるのに出来るだけ風通しの良い議論が必要になってくるのです。残念ながら、人間同士でも絶えず密室で行われ、ブラックボックス化は常に実行されています。これにAIが加われば、さらに密室化は効率的に行われていくでしょう。すなわち我々の思考は、益々依存型になり、AIなら間違いないというような信仰心さえ生じてしまい、やがてブラックボックスまで意識が行かなくなるでしょう。これにより人間の尊厳である主体的思考は失われ、人間の無力化や管理化はいっそう進むでしょう。唯一それに対抗する手段が、人間の魂です。どんなに精巧に作られたAIロボットでも、その歌声は我々の心には、決して響きません。それは、AIには魂が存在しないので、言霊という概念が理解出来ていないからだと思っています。それ故、AIがそれを理解する前に、人間が魂の進化を遂げ、AIに支配されるのではなく、絶えず有効活用できる関係性を構築する必要性があると思っています。