思うこと 2024.11.04
熊谷元直は桓武天皇から出た平氏の血を引く、源平合戦で大活躍した源氏の武将・熊谷直実の末裔です。元直は、1580年の秀吉との戦いでは毛利家に加わり、秀吉と和睦を結んだ後は四国征伐に参加します。その後、九州の島津征伐に参加し、その時に熱心なキリシタンだった黒田孝高(官兵衛)と出会い、1587(天正15)年の復活祭でメルキオールという霊名で洗礼を受けました。その後、熱心なキリシタン武士と出会い、信仰を生涯守り通すことを決意します。そして関ヶ原の戦いでは、豊臣側について敗れた毛利輝元に従い、元直も萩に移り住んでキリシタンとしての生活を送るようになります。しかし徳川家康の度重なる圧力によって、輝元はキリシタン弾圧を始めます。輝元は「五郎太石事件」と言われる、萩城の石垣築城の際、石垣の間に詰める五郎太石が盗まれるという諍いを利用して、キリシタンであった元直と天野元信を処刑するよう命じたのです。この時、彼の妻子や孫など少なくとも11名が処刑されました。元直、享年50歳です。来たる11月10日(日)の「小鶴様大鎮魂祭」を務める、松江山伏3人衆の一人である井上先達は、毛利家重鎮、井上元兼の直系の末裔です。そんな井上先達は、ゼロ磁場が毛利家と尼子家が雌雄を決した場所でもあることから、当日毛利・尼子軍の戦死者たちへの鎮魂の祈りを捧げられます。私もその流れに従い、この毛利家の殉教者へ精一杯の祈りを捧げようと思います。当日の会場は紅白の艶やかな幕に覆われています。この紅白の色は戦いの音色ではなく、感謝と和解の祈りによって、大調和の色彩へと変貌することでしょう。