思うこと 2022.06.23
臓器同士のコミュニケーションを取るために、メッセージ物質をつくるのですが、それを入れるメッセージカプセルのことをエクソソームと言い、人体に100兆個存在するそうです。このエクソソームを使って、臓器同士の神秘のネットワークを築いて、健康を支えているのです。例えば、皮膚細胞に紫外線の攻撃が確認されると、皮膚細胞は「皮膚を守って」というメッセージ物質をエクソソームに入れて放出します。それがメラノサイト(メラニンを生成する細胞)に届いてメラニンを作り出し、皮膚を守ろうとするのです。恐ろしいことに、これに目をつけて勢力拡大を図ろうとするのが、がん細胞です。例えば、免疫細胞に出くわしたなら「自分を攻めないで」というメッセージ物質の入ったエクソソームを放出し、危険を回避するのです。同じようにして、毛細血管をだまして、がん細胞に毛細血管を繋げさせ、栄養補給を難なくやり遂げているのです。しかし一番厄介なのが、がん転移です。本来なら通過できない防御壁があっても、この仕組みを使い「役割は終わった」などという偽報を流して風穴を開けるのです。そしてそこに、がん細胞を送り込み侵入に、まんまと成功するのです。このがん細胞のやり口に対抗するのに有効なのが、筋肉細胞からのメッセージ物質だそうです。運動することで、薬のような効果が期待できるかもしれないということでしたが、この分野は、まだまだ未知の領域なのだそうです。この人体神秘の巨大ネットワークが、今後解明されることで、新たな手段が生まれることを、ひたすら期待したいです。