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思うこと 2025.05.17

言霊(コノシロ)

言霊というのは、言葉には霊的な力が宿っており、言葉を大事にするという古来より大切な日本の文化です。特に相手に払う感謝や敬意の言葉に重きを置くという、日本人の精神性や言葉の力を借りて神様に捧げる祝詞は、言葉を重んじるという日本文化の象徴とも考えられます。そしてこの精神文化を面白く表現している物語が松江城に存在します。松江城に取りついていた妖怪に「このしろは、わらわの城じゃ」と脅されて、松平直正の影武者は、このしろ(松江城)の代わりにコノシロ(魚)を差し出してこのしろを守ったという、一見すると大変コミカルな創作話に聞こえてきますが、これが400年もの間、松江の口伝として今も語り継がれているのです。もちろん、時間とともに話に尾ひれがついていったと思われますが、この話の核心部分にも、日本古来の精神文化が宿っているのかもしれませんね。スサノオの古里である松江から、このしろ(松江城)伝説が始まり、やがてそれが東征を始めると私は信じています。

 

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