思うこと 2022.09.07
日頃から、「特攻隊」や三島由紀夫という大変重たいテーマばかり考えていると、健康に良くないので、箸休めに酒場を放浪しようと思いました。この番組は、俳人の吉田類がひたすら酒場を飲み歩くという話です。意図的には見ない番組ですが、私にとっては何となく点けていても邪魔にならない存在なのです。ある居酒屋の話ですが、そこはバングラデシュ人が一人で切り盛りしていました。如何にも下町情緒溢れる店内ですが、大変値段が安いのと店主の人柄もあって常連客で賑わっている様子です。エピソードトークとしては東日本大震災の時、真っ先に駆けつけてのカレーの炊き出しの話と、その様子が写っている写真とともに紹介されていました。さらにメニュー表の字が達筆であることや、それが習字の先生の仕業であることや、それを書き直すのがめんどくさいから、値段が据え置きのままになっているなど、店主が醸し出す垢抜けた表情とセットで番組は進行していきます。私は店主の常に変わらない垢抜けた、この表情が特に気になりました。ただ私はナショナリズムなので、基本的に移民政策には反対です。しかし、この距離から捕らえてみると、彼らの文化が、そうさせているに違いない独特な、あの表情にちょっとだけ癒されている自分がいることに気が付いたのです。