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「特攻隊」 2022.08.13

特攻行為の考察 その2(ネガティブ編)

そもそも特攻行為自体、物凄い高度な技術を要するもので、突入角度45度が理想的で、それは真下に特攻する行為のようで大変難しいものでした。それに加えて、その日の天候に左右され、当然昼夜問わずですから、視界不良から目標に辿り着くまでに多くの機体が消息不明になり、多くの方が無念ながらに殉職をされました。立派な軍人であれば、戦って死ぬ覚悟は当然できています。しかし、それとは違い特攻行為は命令即死であり、また高い技術と戦術と天運を必要とした大変過酷な任務なのです。ですから「特攻隊」の功績を称賛する前に、特攻行為のネガティブな側面をしっかりと顕彰した上で、その残った部分から「特攻隊」の功績を自分なりに顕彰していこうと考えました。まずは命令され、それを受け入れた特攻行為です。例えば、数々の敵戦闘機を撃破して国のために功を立ててきた優秀なパイロットに特攻命令が下ったとします。彼は当然納得できません。彼は、沢山の修羅場を経験して戦果を上げてきた手練れの飛行機乗りです。彼の卓越した技術があれば、空中から爆撃し敵戦艦を撃破する可能性もあるわけです。仮に失敗しても生きて帰れば、次のチャンスもあるわけです。しかし特攻命令は、この優秀なパイロットの可能性を全否定する行為でもあるのです。もちろん軍国教育をしっかりと受けていますので、内なる葛藤があっても、イエスと答えるしかありません。表面上は分かりませんが、ネガティブな感情を抱えた特攻隊員に対する特攻行為は、どうしても非常に過酷で熾烈な残虐行為に映ってしまうのです。要するに特攻命令は、今まで国のために貢献してきたと自負する人間にとって、犬死に覚悟の「死んでこい」という命令にどうしても聞こえてしまうのです。つづく

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