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「特攻隊」 2022.08.15

特攻行為の考察 その3(ネガティブ編)

まずは特攻機の編成を考えてみると、例えば11機編隊の構成の場合、7機が特攻機で4機が直掩機の構成になります。直掩機は特攻機の護衛機なので、特攻作戦中に敵戦闘機に遭遇した場合、直掩機がこれに対処し、状況によっては特攻機の楯となり、特攻機を生かすための身代わりにもなり得るので、ほとんど場合、特攻機と同じ運命を辿ります。そして特攻機は、その集中砲火を搔い潜りながら、目的地までひたすら突き進むのです。また任務にあたる前の特攻訓練に200時間以上を要し、当然大変過酷な練習なので、多くの方がそこで殉職されています。つまり敵戦艦に特攻機が体当たりするために、まずは敵戦艦に辿り着かないといけないのですが、その過程に多くの努力と犠牲を必要としており、果てしなく困難な道のりになっているのです。そして、目標達成できずに多くの特攻隊員が無念にも、途中で散華されているのです。最大の要因は、欠陥機による特攻だと考えられています。つまり整備員泣かせの故障機が、多くの特攻隊員に悲運をもたらしていたのです。このボロボロの練習機に何百キロの爆弾を爆装させて、機動性を失った片道切符の戦闘機に大変重みのある重要な任務を託したのです。そして命令され、それを受け入れ(表面上は分からないのですが)ネガティブな感情を抱えたままの特攻隊員にとって、この任務は想像を絶する過酷な光景に映ったに違いありません。しかし彼らの、自己犠牲の名のもと、壮絶な死を受け入れ見事に己の使命を果たそうとする、そのお姿は、まさに「愛国の士」と呼ぶに相応しいでしょう。つづく

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