「特攻隊」 2022.08.19
私の本来の目的は、「特攻隊」を今に生かそうとする行為にあります。「特攻隊」が持っている生の力、すなわち目標を達成するまで、死に物狂いで生きようとする姿勢や覚悟が、純粋に生きようとする意志が枯渇している今の時代にあって、最も美しく輝いて見えるに違いないと考えました。そして「特攻隊」を精神的なものとして捕らえることで、より深い深層心理へ迫ってみようと考えたのです。ようやく何とか目的地であり体当たりするための対象物である、敵戦艦前に彼らは無事に到着しました。その時、文字通り命懸けの体当たりを決行し、見事に彼らの思いが成就した瞬間がやっと訪れます。それと同時に、激しい激烈な爆発音とともに、ほとばしる炎が燃え盛ります。その爆発音とは、死と生が激しくぶつかり合いながら、お互いの沸点に到達した瞬間、何と生の力が死の力を圧倒し、それを打ち負かしたことで生じた衝撃音だったのです。そしてその後生じた、ほとばしる炎とは、何と紛れもなく彼らの燃え盛る「命の炎」だったのです。あんな死をも超越し、生き抜こうとする衝動が一体どこから生まれてくるのでしょうか?その答えは、気負いや衒いが全く存在しない、純粋に澄みきった心の中にありました。つづく